Message代表理事からのメッセージ

大川 祐介

日本SHOKUNIN総研 代表理事

1979年、静岡県生まれ。

18歳のときに内装業界に飛び込み、2年半にわたってクロス職人として修業。

2000年に独立してユニオン企画有限会社を創業、内装仕上げ工事業をスタート。

2004年事業拡大を機に現社名「ユニオンテック株式会社」に商号変更。
ショップやオフィスの企画・設計・施工をトータルプロデュースで行う空間事業「UT SPACE」を展開。

2016年からはオンラインプラットフォーム事業をスタート。
建設業界のマッチングサイト「SUSTINA」や職人と工事を依頼したい人をつなぐマッチングアプリ「CraftBank」をリリース。

建設職人がより働きやすい未来をつくる活動を行う為、2018年に一般社団法人日本SHOKUNIN総研を設立。

同年に建設業すべての業種に向けたビジネススキルの資格検定をプロデュース。

「建設職人が成長できる環境を作りたい」

これは私自身が、自分の建設業での活動を通じて強く思っていることです。

私は最終学歴が中卒の状態で建設業界に入りました。当時の私には建設業しか選択肢がなく職人の道を選んだようなものでしたが、いざ建設業界で働いてみると、建設現場で働く先輩職人たちの物作りに強いプライドを持って仕事に励む姿がとても格好良く、「先輩たちのようになりたい!」という目標を持ちました。
ところが、日々努力を重ね、職人としての技術を磨きながら仕事を続けていても、なかなか稼ぐことができず、もっと建設業で稼ぎたいという想いから自然と独立に至ります。しかしながら、独立してからも、建設業界特有のしがらみや構造の壁に直面し、業績を伸ばそうとしても、採用の努力をしても、社員育成に力を入れようとしても、いつも非常に苦労をしました。

現在、私がこの業界で働いて20年以上経ちました。建設に関してのトレンドは、日々めまぐるしく変化し、新しい技術や道具、素材がどんどん新しいものに変わっていきます。ですが実際にそれを使い、様々なものを作りあげる職人や施工業者の労働環境には全くと言っていいほど変化が起きていないのです。
昔から建設産業に変わらず立ちはだかる「後継者問題」「若手不足」「離職率の高さ」「不適切な待遇」などの多くの業界課題を早く解決していかなければ、建設業が次の世代にバトンを渡すことは今以上に困難になっていくでしょう。

では建設業界を改善していくために本質的に必要なこととは、一体何なのでしょうか。業界を俯瞰してみると、そこには多くのギャップがあることがわかります。例えば、建設業はすべての人々の生活基盤となる仕事である一方で、生活者からのイメージは悪く、稼ぎも良いとは言えません。建設職人は、責任が重くプライドのあるかっこいい仕事であるのに、「かっこいい」というイメージはマジョリティではありません。また、お客様からしっかりと評価されて信頼を得ていかなければならない仕事であるにも関わらず、対人スキルなどのビジネススキルが全体的に低く、技術を磨くことに偏りがちです。
私は、こういった見落としがちな理想と現実のギャップを埋めていく事が、本質的に必要なのだと感じています。

私たち一般社団法人日本SHOKUNIN総研は、そのギャップにどういったものがあるのか関係者とともに研究・調査を進め、それを埋めるための施策を実行し、建設業界のイメージ向上、並びに建設職人の価値向上を目指します。
また、建設職人の在り方が、社会から注目されるようになるための双方のハブとしての役割を担うことも私たちの大きなミッションです。
こうした一連の社団の活動を通して、職人が誇りを持ち、それが社会から承認されるような未来を実現すること、これこそが私たちの活動の根幹なのです。

大川 祐介
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